追悼  加川良

追悼  加川良



YAMAHA S-51
productphoto_567502d8-8358-4a.jpg


加川良が亡くなった。

彼はずっとこのS-51を愛していて、
最後のライブでも勿論このギターと共にあった。
他の数多のアーティストはやれマーティンだ、ギブソンだと
海外製のハイブランドを挙っていた頃から、彼はこのYAMAHAに拘っていた・・・。


今回は、昨日の「続き」に追記した加川良の訃報に触れた記事の焼き直しです。
なんか、ちゃんと表記事にしないと良さんに申し訳なくて・・・。
追記部分を削除してこちらに改める事にしました。



---------------------------------------------



思い起こせば私が高校2年の冬。
部活を終えた夕方の帰り道。
駅までの途中にあった喫茶店にいつもと違うポスターが張ってあった。

「加川良・西岡恭蔵」ライブ

田舎の10人も入れば満席のこんな小さな喫茶店にだ。
思わず友人と顔を見合せると、迷わずに入ってしまった・・・。
お店の名は
「あまん亭」

学生服を着たままカランコロンとドアの鈴を鳴らすと、
先客達が皆振り返った。

この店は常時酒類も提供していて、学校側からは
「入店御法度」の店だったので、ちょっと勇気がいったが、
その当時、誰もが知っている有名人と、ほんの数メートルの距離で
ご対面出来るなんて思いもよらなかったから・・・。

ライブが終わると、サイン会が始まった。
といっても客は10数人・・・、直ぐに終わってしまう。
友人と二人、客席の一番後ろでその様子をボウっと眺めていたのだが、
やおら、加川のオッサン(当時はオニイチャン)が我々に手招きしながら、

「よう、学生!サインしようか?」

と呼ぶではないか。

そもそも、その短い生の中で、芸能人にサインなど貰った事などは無く、
しかもサインして貰う物なども無い・・・ん?いや、一つあった。

ペチャンコに潰れた学生カバンがあった。
というかそれしかなかった。
中身は空の弁当箱のみで、教科書ノートの類は皆無・・・。
カバン本体こそがその対象であった。

彼はモジモジする私の心中を察したのか、私からカバンをもぎ取り、
店のマスターからホワイトマーカーを借りると、真っ黒な革の素地に
キュラキュラと勢いよく書き始めた。

以下、加川良のサイン

1に勉強!
2に勉強!
3に女!

   加川良



なんたるちあ・・・。
黒い下地に白のマーカーでくっきりとマジ目立つよコレ!
恥ずかしくて持って歩けねぇ!
と脳内マッシロ。

当のご本人はニヤニヤ笑っているよ・・・。

でもね、そうとは言え、思春期真っ只中の田舎の小僧っ子を
ユーモアたっぷりに暖かく構ってくれたお二人の心根が
ちゃんと伝わってきて、何だかとってもいい気分だったなぁ・・・。

次の日からこのカバンを見た9割の人が、

「なにそれ?自分で書いたの?女好きなの?」

といった当然の反応をするので、思春期のデリケートなハートがクチャクチャに・・・。(泣)

嗚呼懐かしき哉青春のおもひで・・・。


それから幾歳月。
いつか機会さえあれば彼のライブに押し掛けて、
このエピソードをご本人が憶えているか訊いてみたいと常々想っていたのだが、
遂にそれが叶わぬ事となってしまった。


本当に残念・・・。
もっともっと生きていて欲しかった。







どうぞ安らかに・・・合掌
Guide
  •  …この記事と同じカテゴリの前後記事へのページナビ
  •  …この記事の前後に投稿された記事へのページナビ
         
かどまる餅店  ←かどまる餅店 【2017年04月】の更新記事一覧 →稲荷山  稲荷山
 

~ Comment ~

  ※コメントの編集用
  シークレットコメントにする (管理者のみ表示)

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

MENU anime_down3.gif

同じカテゴリの記事が一覧表示されます
同じタグの記事が一覧表示されます
更新月別の記事が一覧表示されます
キーワードで記事を検索