茶臼

茶臼

しばらく茶臼を求めて彷徨ってました。
なかなか状態の良いのに出会えず、諦めかけていたのですが、
遂に掘り出し物を見つけましたよ。

札幌のお茶の老舗にしてオーソリティ。
以前、当ブログでもご紹介した、「玉翠園」にそれは埋もれておりました。(コチラ
全国のオークションや骨董市ではそこそこの物はあるのですが、
茶臼として使えないものも多く、使えそうなものでも恐ろしい値段が付いていたりで、
とても手を出す気にはなれませんでした。
茶臼は、蕎麦や小麦を挽く石臼とは違い、碾茶(てんちゃ)を抹茶に挽く専用の臼です。
(碾茶とは抹茶の原料で、茶葉から葉脈や余分な部位をことごとく取り除いたもの)
臼の目も実に細かく繊細で、5μから10μの抹茶の微粉末を擦り出します。

で、なんでそんな物をとお思いでしょうが、
それはただひたすらに挽き立ての抹茶を飲みたいが為に他なりません。
それはフレッシュで実に甘露!
まさに「ヌチグスイ(命の薬)」なのでございます。
大げさなようですが、焙煎し立てのコーヒー豆を自分で挽いて飲む事と変わらないことですよね。

では現物をば・・・。



これは実に25年間、玉翠園の倉庫に眠っていた未使用の茶臼です。(撮影は玉翠園の2階)
当時、あるお茶の先生が特注で作らせたもので3個だけ製作されたものだそうです。
DSC_0453.png
その内の一つが使われずに玉翠園に保管されました。
現在はその先生も、茶臼を製作した職人も他界しており、同じものは二度とできないとの事・・・。
流石にオリジナルだけあって、取っ手が実にユニークで、通常取っ手は木製なのですが、
これは折りたたみ式のステンレスをベースに樹脂製のつかみが使われています。
いろいろな茶臼を見てきましたがこういうのは初めてです。




これは上下分割したところです。
実はこの時新たな発見が・・・!
DSC_0457.png
玉翠園の玉木社長もそれまで気が付かなかったそうです。

それは、上臼と下臼の接合面が、お互いが浅いお皿に同じお皿を被せたような形状をしていた事です。
驚きました。もの凄い精度と技術です!(どうやって作ったのか・・・職人さんスゴイ!)

ひっくり返した上臼が全体的に窪んでいるのが解りますか?
同様に下臼が盛り上がっているんです。

石臼は普通、下臼の面が綺麗な水平を形成していて、上臼側の中央部に僅かな隙間(含み)を持たせる・・・
というのがセオリーなのですが、この臼はまるでユニークな形状をしていました。
おそらく、亡くなったお茶の先生は相当研究熱心であったのだと推測されます。
う~ん、これを見た時、もうワクワクしてきちゃいましたよ!



下臼の目です。
見え辛いですが、周辺部に溝が入っていないのが解りますか?
これが茶臼の特徴の一つです。この部分でより微細に挽かれるわけです。
DSC_0454.png



上臼を裏返しにしたところ。
下臼と寸分違わずカップ状に削られています。(わかり辛いですね・・・。)
DSC_0455.png


この茶臼、逸話が一つあります。

今の社長が、玉翠園を先代から引き継いだのが25年前でした。
その時に丁度この茶臼が届いたのだそうです。
以来、一度も売りに出された事もなく、今日まで倉庫に眠っていた訳で、
たまたま・・本当にたまたま、私が社長に電話をして「茶臼を探しているんですけど・・・。」
と尋ねたのがきっかけで、25年間その存在すら忘れていたものを「あぁ、そう云えば!」
と思い出したんだとか・・・。面白いものですね~。


さぁて皆さん、これお幾らだと思いますか?

え~・・・やっぱお高いんですよ・・・。ちょっと私には贅沢過ぎました。

しかしながら社長曰く、
「今まで誰にも縁付かなかったんです。あなたが来たからこれを掘り出したようなものです。
他には譲りませんから、何時でも都合の良い時に来て下さい。」
と言うとっても粋なお言葉を頂きましたよ。

よ~し、早く頑張って近い将来立派にお迎えしなければ!

と、決意を見せるうみねこなのでした。
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~ Comment ~

NoTitle

随分と貴重なお宝が埋もれていたんですねi-189

それが1本の電話で社長さんの記憶が
甦り。。。

近い将来うみねこさんの手元に。。。

何だかロマンチックな
小説のようなお話ですね~*^^*

Re: NoTitle

soramameさんへ

そうなんです。
何か特別な縁を感じてしまいました。
それもこの茶臼、ホントに変わっているというか珍しいタイプなんです。

碾き臼って目立てというメンテが必須なんですが、
ただでさえ目立て職人が居ない中、
このアールのついた面ををどう目立てするのか・・・?
そっちの方が今から気になってます。(笑)

巡り合いとか縁というのはこういうものなんですね。

ホントに不思議でした。

NoTitle

先生も…

職人さんも…

故人となられて…

そのへんから…

茶臼が…



「墓石に見えてきたぁ〜!!」 質感と色がねぇ〜(笑


もう、社長、落とし文句がもう、たまらん;
カスタムメイド茶臼貯金、総額、お値段は如何に!

フハッ!

これは墓石貯金なのか??

う~ん、なんか複雑な気持ちになってきた・・・。

お値段ですか?
茶臼の事をよ~く分かっている人にはとても妥当な値段だと思います。

しか~し、私のような凡人には思わず「うっ・・」と唸ってしまうような金額です・・・。

そんなところでお察しくださいませ~~!v-406

ろぼたん

遂に出会えたのですね~。探してましたものね~。
もうこれは縁としかいいようがないですね。
いつかそれで美味しいお茶を淹れてくださいませ♪


玉翠園のパフェやお茶、美味しいですよね~。
何だかあそこまで情熱あふれる人にあうと、気持ちがi-59って
上がりますよね♪
あっ!そういえば、このブログを書いている人も
情熱がっe-269 あっちっち!

Re: ろぼたん

そうなんです。
オヤジの一念岩をも通すです!

「想い」こそが縁を手繰り寄せる唯一の手段であると言えます。

何故なら、その「想い」を止めた途端、希望は瞬時に背を向けるからです。



パッション・・・心は情熱と云う名のガソリンで動いているのです。


                  (ネコライ・スキノビッチ)
                  
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