閉じた心

閉じた心

このブログで過去にこのような話題の記事は無いのだけれど・・・。



突然に書き始めますが、なにやら怪しく不可解な記事??なんて思われるかもですが、
そんなことはありませんので、ご安心を。


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彼女は必死・・・



彼女は必死です・・・、毎日が世間や人との闘いなのです。そして今もその渦中にいます。

過去に人の中で揉まれ、容赦ない対人関係に傷つき、その心は破綻・・・。
入退院を繰り返し、長い時間を掛けてようやく僅かながらに人との関わりを取り戻そうと
動き出したばかりの人です。

そんな彼女と出会ったのは今から二ヶ月と少し前、とあるPCスクールにて。
はじめて見た時はもの凄く痩せて顔色も青白く・・・・などと書き出したらキリがないくらい
病的な外見。
年齢は35歳。
授業の合間の休憩時間も人と会話することもなく、昼食も一人で無言・・・。
人の目を見て話すことが出来ず、会話も短い単語のやり取り程度。
授業中は居眠りが多く、スクールの同期達も取り付く島がないといった感じでした。

私の前職での経験上、その焦点の合わない目線や動きの緩慢さから、心療内科
若しくは精神科の投薬治療を受けているのは明らかでした。

さて、この子最後までちゃんと続けられるのかな・・・?
そんなことをその時は思っていました。

Yちゃん。

そう呼ぶことにします。

Yちゃんのこと、月日の経過と共に少しづつ解って来ました。
彼女は授業中、毎日朝から居眠りするのですが、実はこれは服用している薬の副作用。
集中力を高めるためのクスリなのですが、このような顕著な副作用もあります。
つまり、Yちゃんは授業がつまらなくてとか、退屈だからではなく、その自分の意思
に反した副作用の睡魔と闘っていたのでした。

また、彼女から人に話しかけることはありませんが、誰かが話しかけた時はちゃんと
正確に返答を返してくれます。連続した会話はまったく無理でしたが、
はっきりと明瞭に「言葉」を発してくれていました。

そんな様子を見て、ふと思い当たる事が・・・。

それは・・・。
昔前職で私が扱ったある人のパターン。

「彼」・・は一切の喜怒哀楽を封印した心を持った人・・・。
そんな人達と私は深く係っている時期がありました。
もう20年以上も前の事です。

彼の名前は「T君」

当時25歳。
彼も彼女と同じように対人関係で苦しみ、人や社会からドロップアウト。
幸いにして、何とか自力で社会復帰しようという気持ちだけは持っていましたが、
現実には程遠く、彼も人と目を合わせる事が出来ず、必要以外の言葉は
話しませんでした。
とにかく無感動・・・というか無表情。
当時の未熟な私には、一通りの教科書どおりの処遇を繰り返すしかなく、
これといった効果の出ない自分のやり方を憂い、ジレンマに悩まされていました。

私なりに一生懸命彼のことを考え、あらゆるアプローチを試みましたが、
彼の心の扉は鋼鉄のようでした。
そして数ヶ月が過ぎ、私がその施設から転属することに・・・。
最後の日に、私はT君にいつにないキツイ口調で、ついこう言ってしまいました。

「人に何かしてもらうのを待つのではなく、
自分から人に何かをして上げられるようにならなきゃ!」
「人との繋がりは言葉を交わすことから全て始まるんだよ!」


他にもいろいろ言いましたが、主旨はこんな所です。

それを見ていた上司は慌てて私を制しましたが、
私は何故か自分を制することが出来ませんでした。
強い言動で指導するのは逆効果・・・それがセオリーなのですが・・・。

翌日、私は相変わらず無表情の彼の前を去り、新しい任地へ・・・。

新任地においても私は彼の事がとても気掛かりでした。
後任者に彼の記録や情報を逐一伝え、彼の健全な社会復帰を
心から願っていました。

それから二月ほど経ってからのこと、私は前任地で撮り貯めた写真を
整理していると、T君の写真が結構な数になっている事に気付きます。
その殆どが硬く虚ろな表情だったのですが、中に数枚だけ、
ほんの少しだけ口角の上がった「僅かな微笑み」のような表情の写真が
ありました。
その時私はある事に気が付き、ハッとしました・・・。

今まで無表情とばかり思っていた彼の表情・・・。
しかし、彼は彼なりにちゃんと心の動きを見せていたのです。
実に解りづらい表情なのですが明らかな「心の動き」を表していました。
何故今まで気が付かなかったのか。
こんな表情していたんだ・・・

それから私は考えました。

この微笑みのときの彼はどういう状況にいたのか・・・?

固く融通の利かない頭を振り絞って記憶を辿ると、
ふと、ある事に気付きました。
それは、私が彼を大げさに褒めた時、また思い切りつまらない
ボケをかまして彼を笑わそうとした時の後、等々・・・。


そうか!この子、心がちゃんと動いている!!

そう気付いた瞬間、私の内側から熱いものが込み上げてきました。

なぜ、なぜ一緒にいる時に気付けなかったのか?

あぁ、それは私自身に余裕がなかったのです。
愚かでした・・・。

そして、更にまた新たな発見が・・・。

この、ほんの数ミリ口角が上がった笑顔を見て、私はこんなにも感動している・・・。
己と縁のある人々の笑顔がこんなにも感動を与えてくれる!
何故・・・?

それから私は前の職場の写真をかき集め、人物の笑った写真だけを片っ端からまとめて
PCに取り込み、一本の動画に編集し、数日後それを持ってT君の居る施設へ・・・。


つづく






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~ Comment ~

つ、つづく~!!!!(笑)

昨日の事件の後....今回の記事を読みながら冒頭の言葉が無かったら
うみさん!!!....ってどこでもドアでそちらに参上しハグハグムッチューする勢いでしたわ

うみさんの職業は...あえて詮索しませんわ
↑....詮索って...ブーコおバカだから理解できてないだけでしょ?
↑ドギマギ....

ワタクシも人付き合いは正直苦手ですが
有難いことに産まれた時から
陽気な性格だったので救われてますわ

これはうみさんの封印された大切な思い出ですわね
そんな大切な事を有り難うございますわ
次回も心してかかりますわ

因みに
レミントンM870調べて来ましたわ(^^)
やたら説明文で狩猟用と出てくるのが気になる所ですわね...ブツブツ(笑)ギャハハ

ブーさんへ

あ、別に封印はしてませんです。また、大切な思い出という訳でもないのですが・・・。
最近歳のせいか、ちょっとした事ですぐ涙がジワっときてしまいます。
今日もPMFのコンサートで素晴らしい演奏に触れ、ウルウル来てました・・・。

健全なる涙は身体に良いのです。

そう信じて生きております。v-398

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鍵コメ様へ

誠実で真摯なコメント、心から感謝申し上げます。

正直、私もこの記事を書くか書かないか迷ったところです。
ノンポリシーのブログ故、徒然なるままにその時々の我が心の機微を
書き綴ってまいりしたが、今回のようなテーマは初めてのこと・・・。

書き進むに従い、意に反して殊更に深く掘り下げてしまい、
サラリと終わるはずの話がこんな事に・・・。(ちょっと長くなりそうです。)


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