永遠の0

永遠の0



原作本は累計300万部(文庫も含む)を超え映画化されたそれは空前の大ヒットを記録しております。
もう飛ぶ鳥を落とす勢いとはこのことで、私の周りにも「この映画もう三回も観た」などと言う強者も
おりますな・・・。

原作者は百田 尚樹さん。放送作家さんですが2006年に本作品を処女作として発表いたしました。
長い事視聴率至上主義のTV界に於いてフリーの放送作家として存在し続けるには並大抵の才能ではありません。
どうすれば一秒でも長く視聴させる事が出来るか・・・。
この大命題を年がら年中突き詰め、明日をも知れないフリーの立場を長年維持し続けるという「流石」な人
なのであります。

さて、この「永遠の0」出版されてから8年が過ぎようとしております。当初は鳴かず飛ばずで即絶版かと、
ご本人も思ったそうですよ。それがジワジワと口コミで評判が立ち、文庫本かと共にブワーっと売れ始めた
そうです。

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なんだかコンタクトレンズのポスターみたい・・・


さて話は変わって、この頃大騒ぎされている事件に「交響曲ヒロシマ」があります。
全聾の作曲家が長年に渡りゴーストライターに曲を描かせていた事件・・・。
良心の呵責に耐え切れずに事実を吐露した作家さんの勇気を誉めたいところですが、
その動機がまた哀れです。
「新潮45」10月号に寄稿された
「全聾の天才作曲家」佐村河内守は本物か・・・野口剛夫
この中で野口さんは「ヒロシマ」についてまた作者について痛烈な批判を述べています。
マーラーやショスタコービッチetcを寄せ集めたオリジナリティのカケラも無い駄作・・・
と言い切っていますが・・・。
新垣さんは恐らくこの記事に触れ、いよいよもう終わりにしようと決断したのではと
言われています。
新垣さん自体、実は信望の厚い立派な音楽家としての顔を持ちますので、同族からの
真っ当な指摘にもう我慢できなくなったのでしょう。たった700万円で今まで築き上げた
名声を台無しにしてしまいました。

「永遠の0」「交響曲ヒロシマ」・・・
何故、この二つを取り上げたのか??
タイトルを並べてみるだけでなにか繋がりがありそうに見えますが、別に戦争とは縁の無い所で
ちょっと語ってみますね。


賛否両論の「永遠の0」

原作はベストセラー!映画は邦画としては超大ヒット!!
この映画を観て一生分泣いた。何度でも観たい・・・。
そんな手放しの評価が圧倒的ですが、断じて酷評される方も少なくありません。
何故・・・?
実は私も原作を読んだ時にとっても違和感を覚えました。
それは明確なオリジナリティの欠如と言いますか、まさしく寄せ集め的な作品であったからです。
私の過去の僅かな読書量を持ってしても、
「あぁ、ここは○○○の引用だな」「この展開は○○○○そのものじゃないか」
と思い当たる所が随所に・・・。特に戦争がらみの記述は膨大な引用そのもので、ある識者は
「90%の受け売りと5%の盗作と5%の作文」
と言っておられるようですが・・・。
そもそもの作者百田さん自身、あるラジオ放送で言ってましたが、
「私は放送作家です。お客が喜び視聴率が上がるモノを作る事が使命なのです。
とにかくあらゆる所からいいとこ取りしてエンターテイメントを作り上げる事が仕事・・・。
この小説もそのように作られています。」
とのことです。言い換えれば視聴率男が書いた小説を原作にした視聴率獲得映画・・・
それがこの映画なのだろうと。
パクリを繋げてとにかく視聴率を稼ぐというテレビ業界の手法が存分に盛り込まれたある意味
傑作な映画ですね。エンターテイメントにオリジナリティーなど不要!
事実大衆はそれに喰い付き、立派な産業として成立しています。




ある危機感

昨年、あるブロ友さんの記事でこの小説「永遠の0」を絶賛しておりました。
その誉めようが素晴らしく、
人生でこれ以上の感動の名作に出会ったことは無い!
わたしの周りの読書人が全て大絶賛!
とのことだったので、ちょこっと先に書いたような事をコメントしたところ、
「面白くなければ300万部も売れる訳がないのだから、それが世の中の評価です。」
と言われてしまいました。
う~ん、これで良いのかぁ・・・。すご~く複雑な気分になりました。
若い世代の「別にいいじゃん、面白ければ。」的に流されて良いものなのだろうか?
ちょっとした危機感を覚えずにはいられませんでした。



という訳で・・・。

世の中はこうやって少しづつ移ろって行くものなのでしょうか・・・。

しかししかし、厳然とした良識もちゃんと存在してますよ。
例えばこの「永遠の0」、仮に1000万部売れても間違いなく直木賞、芥川賞は受賞できないでしょう。
なぜなら、それは冒頭で書いた「交響曲ヒロシマ」のようであるからです。選考委員は皆識者ですからこの作品を
土俵に乗せる事すらないのは自明な事です。
もし、審査員が全て中高生であるならば、受賞は間違いのないところかもしれませんが・・・。(笑)



世界的ベストセラー、坂井三郎氏の
「大空のサムライ」yjimage大空

をご存知ですか?「永遠の0」を読んで感動した方々がもし先にこの本を読まれていたとしたら、
同じ評価をされていただろうか?甚だ疑問です。



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世の中ややこしくなって行くのう・・・


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~ Comment ~

NoTitle

本や映像の世界で何を書こうが作ろうがそれはそれで受け入れられるんだったらいいと思うのです。
賞うんぬんはまた別の一線を越えたところにあるわけですから…
し・か・し!!耳の聴こえぬ今世紀のベートーベンはいけませーーん!!
もう、こっちの新聞のカバーページに載ってるのをみたら「恥ずかしい~」と言うほかありません。
こういう世間の騙し方は、じぇーったーいにいけませんよ。めっちゃ、今も尚続いてる真剣な世界を冒涜してる。まぁ、この世界でもある程度はあるんでしょうが、ここまで、見た目と身障で引き付けるのは卑怯じゃと、我輩はムカムカしまタ。

いっちゃん始めに見たときの私の印象…それは「麻原彰晃」カリスマ+大嘘つき+ロン毛がとても似てらっしゃる♪

何か、休み時間に一気に書いちゃタ…

Re: kaoさんへ

まったくですね。
日本中が、いや世界が見事に騙されました・・・。

>「麻原彰晃」カリスマ+大嘘つき+ロン毛

う~ん、kaoさんそれドンピシャな表現です!!
才能の無さを違った別の才能で見事にリカバー・・・なのかっ?
今後彼が詐欺罪で立件されるのかどうか、注目されるところです。

しかし、「佐村河内」という氏名って取っても珍しいですよね。本名なのかな?
だとしたら、きっと親戚一同エライ迷惑な話ですよね。(笑)

ご無沙汰でゴンス

良いものが売れる
ではなく
売れたものが良い
との風潮になっていると思いますなぁ。

特にネットなどで情報のスピードが上がり
売れるものは更に売れるとの
図式になっておると・・・・

私も関わった本で、メチャ良いと思ったの
初版で終わりだものなぁ・・・・
チ〜ン!ポクポク・・・・

みんなが一斉に同じ方に行ってしまう
その風潮が、ちょっと怖いこの頃です。

Re: ご無沙汰でゴンス

> 良いものが売れる
> ではなく
> 売れたものが良い
> との風潮になっていると思いますなぁ。


おっしゃるとおりですなぁ・・・。
あまり考えずに皆が行く方に取りあえず行ってみよう、的な・・・。

> その風潮が、ちょっと怖いこの頃です。

たびん、いつの世もこういう事の繰り返しで行ってるんでしょうなぁ・・・。
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